薬剤師は検査値記載を活用して患者さんの薬害予防に努めよう!

薬剤師は検査値記載を活用して患者さんの薬害予防に努めよう!

薬剤師が患者さんのためにできること。それは、きっとたくさんあるはずです。今回は、その中の1つとして、検査値記載を活用した患者さんの薬害予防についてお話していきたいと思います。薬剤師のみなさんが、患者さんの薬害を防ぐためにできることは、一体なんでしょうか。

検査値記載で薬害から患者さんを守ろう

近年、患者さんの血液検査値を院外処方箋に記載する医療機関が増加傾向にあるのをご存知でしょうか。少しずつ医薬連携に関する取り組みが進められていく中で、この処方箋の『検査値』の記載は、非常に大きな役割があると言えます。

処方箋に記載する検査値の関する項目や基準というのは、それぞれの病院ごとに違いがあります。ただこれらの情報が明示されるようになったことで、薬剤処方の安全性が高まりました。

ただこの検査値記載を活かせるかどうかは、薬剤師の腕によるところ。まずは、なぜ検査値が処方箋に記載されるようになったのかということをという、その理由を知るところから始めましょう。そこから検査値記載の活用、そして患者さんの薬害予防として、薬剤師ができることを考えていくと良いでしょう。

なぜ処方箋に検査値が記載されるようになったの?

処方箋に検査値が記載される機会が増え、薬剤と検査値の照らし合わせなどがスムーズに行えるようになりました。では、それまでは、どのようにしていたのでしょうか?

これまで薬局薬剤師は、薬剤と検査値を照らし合わせたい場合、患者さんから検査表を見せてもらう必要がありました。ところが、患者さんが常に検査表を持っているかと言えば、決してそんなことはなく、処方監査をしっかりと行えずに薬を処方していたケースも少なくありません。

患者さんの薬害を防ぐために

薬の中には、検査値に合わせて容量を変更する必要性のある種類もあります。また検査によって異常検査値が出た臓器に関しては、処方してはいけない薬も多数あります。特にがん治療に関しては、この検査数値から、さまざまなことを確認することが大切です。例えば、薬の効果や副作用の有無などが挙げられます。

処方箋への検査値記載をすることは、安全に薬物療法が行われているかどうか、また副作用が出ていないかどうかといったことを判断する指標になります。こういったことから、検査値記載をすることが重要視されるようになってきたという背景があるのです。

処方箋の検査値記載を有効活用しよう

院外処方箋に検査値を記載する医療機関が増えたということですが、具体的にどういったことが記載されているのでしょうか。主に『eGFR』や『CRE』などの腎機能検査値。そして『AST』や『ALT』などの肝機能検査値などが挙げられます。

もちろんこれに限った話ではなく、医療機関によって、さまざまな血液検査値項目があります。その中で特に薬剤との関わり合いが大きいもの、それが腎機能検査値です。腎機能検査値の数値に応じて薬の容量などを調節していくことが大切です。

またカリウムや血小板の数値によっては、処方してはいけない薬もあるので、非常に重要な情報となります。

腎機能検査値を元に考えてみよう

ここでは、腎機能検査値を元に話を進めていきたいと思います。例えば、先ほど出てきた『CRE』という腎機能検査値。この値が高値だった場合、CKDという慢性腎臓病の可能性が出てきます。

そこから考えられることとしては、まず腎機能の低下。そしてそれに伴う排泄機能の低下などが挙げられます。そこからまずは、処方箋の薬量を確認しましょう。そして適量投与とならないように注意する必要があります。

そこで、薬の添付文書を確認しましょう。記載されている検査値を元に薬剤の量を計算し、それを処方します。

この確認段階で医師が処方した数値が明らかに減量する必要がある場合、疑義照会の必要性が出てきます。具体的には、検査値から適量投与になる報告をしたり、添付文書・ガイドラインをもとに投与量を訂正したり、腎機能への影響が少ない代替薬を提案したりすることが重要となります。

反対に患者さんの症状によっては、薬を減量することによって何かしらのリスクが発生する可能性もあります。ですから医師の見解もきちんと聞くことが大切です。検査値をもとに処方する薬を変えたり、量を減らしたりした場合、それで薬剤師の役目が終わりというわけではありません。

その後の検査値の計測や患者さんの状態を継続的に観察していくことを忘れてはいけません。

薬剤師としてのスキルアップにも繋がる

検査値記載を確認し活用することができれば、患者さんの薬害予防にも繋がるため、薬剤師にとってはぜひ身につけたいスキルです。もちろん患者さんのためになることですが、ためになるのは何も患者さんだけではありません。自分自身、つまり薬剤師のためにもなります。

一言で言えば、処方監査スキルを高めることができます。記載された検査値から正しい処方を行えるようになることは、薬剤師としてのスキルアップに繋がるでしょう。そのためには、まず検査の正常値を把握しておく必要があります。

その理由としては、毎回、検査結果と正常値を見比べていたらキリがありませんし、患者さんも待たせてしまいますよね。そうならないためにも、検査の正常値を把握しておくことは大切です。

薬剤師個人でのスキルアップも大切ですが、薬局全体で処方監査スキルを向上させていきたいと考えている場合もあるでしょう。そういった場合は、薬局の薬剤師で集まり、勉強会などを開くのも1つの方法です。

例えば、正常値と異常値を織り交ぜた検査値と処方薬を見比べながら、どれが異常値なのかを判断するといった勉強です。他にも、どの薬なら患者さんに処方できるのか、代替薬として何を提案するべきかなど、いろんな視点から考えることができます。

この方法であれば、出題者も解答者も添付文書などを見る機会が増えます。もちろん薬学関係のことについて知ろうとするでしょう。そうすれば、より深い専門知識を身につけていくことができます。

こういった勉強会などを繰り返し行なっていき、少しずつ検査値の意味合いを理解できるようになると、疑義照会の回数も自然と多くなっていくでしょう。疑義照会の機会が増えるということは、その分、医師との接点が増えるということ。医師と同じ立場で話せるように、医学書などにもできるだけ興味を持てると良いです。

医学書を読む際などは、担当医師にどの本が良いのか相談してみると、コミュニケーションにもなり良いと思います。

薬剤師としての専門性を高めよう

院外処方箋に検査値記載がされる機会が増え、薬剤師としてのスキルアップもどんどん重要になってきます。薬剤師のスキルアップはもちろん、患者さんを薬害から守るためには、検査値の読み取りも含め、薬剤師としての専門性アップに務めることが大切になってくるでしょう。


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