薬剤師の役目? 服薬アドヒアランス向上させるには

薬剤師の役目? 服薬アドヒアランス向上させるには

薬剤師の求人募集を探している人にとっては、とにかく薬剤師としての仕事を始めることで頭がいっぱいだと思います。しかし、いざ働くことになると、考えることはたくさんありますよね。今回は、その中の1つとして『服薬アドヒアランス』について考えていきたいと思います。

服薬アドヒアランスって一体なに?

みなさんは、服薬アドヒアランスという言葉を耳にしたことはあるでしょうか? アドヒアランスというのは、患者さんから治療へ関わっていこうとする積極的な姿勢のことを指します。

従来のコンプライアンス概念から考えると、どうしても治療については医師目線になってしまいがちです。しかし患者さん自身が主体的になって、治療に取り組んでいく体制を作っていくことが今問題の1つになっているのです。

ですが、こうした患者さん1人1人の服薬アドヒアランス向上が求められる中で、医師・薬剤師の処方箋通りに服薬していないケースが多いのが現状。どのように改善していけば、服薬アドヒアランスを向上させていくことができるのでしょうか?

患者さんが処方箋通りに服薬してくれない理由を考える

なぜ患者さんの中には、処方箋通りにお薬を飲んでくれない人がいるのでしょうか? まずは、この点を考えてみましょう。その理由として考えられるのは、やはり飲み忘れ。どれだけしっかりと服薬指導をしたとしても、飲み忘れというのは起こり得ることです。

例えば、1日3回の処方薬だと昼の分を飲み忘れてしまうことが多いとされています。会社員や学生の人なんかは、昼休みも何かと慌ただしく過ごしていることが多いですから、飲むタイミングをなかなか掴めずに休み時間が終わってしまうなんてことも多いでしょう。

この他にも、お薬に対する不安感や不信感を抱いていることも挙げられます。副作用が怖くて服薬を避けるケースも珍しくありません。こういったことが服薬アドヒアランスを下げる原因の1つではないかと言えます。

服薬アドヒアランスを向上させるためには?

上記で述べたような課題がある中で、どのようにして患者さんの服薬アドヒアランスを向上させていけば良いのでしょうか。しっかりと服薬してもらうためには、やはりそれぞれの患者さんに合わせたアプローチというのが重要になってきます。

昼の飲み忘れが多い患者さんへのアプローチ

例えば、先ほどの話にも出てきた昼の分を飲み忘れてしまいがちな人に対してだと、このようなアプローチが良いと言えます。

処方するお薬を同成分で効果の持続性が長いものに変更します。そして服薬を朝夕の2回のみの処方になるよう医師に提案します。昼に服薬する必要がなくなれば、飲み忘れることもありません。

それでも人によっては、時間関係なく飲み忘れてしまうこともあります。こういった時は、服薬スケジュール表を作ってお薬と一緒に渡しておくと良いでしょう。飲むたびにチェックを入れてもらえば、飲み忘れ防止に繋がるはずです。

小児に対してのアプローチ

小児の患者さんに対しては、服用方法の指導を徹底したほうが有効とされています。特に苦味のある抗生物質などは、子どもでも飲みやすいように工夫することが大切です。例えば、アイスクリームやゼリー、味付きのオブラートに包んで飲むなど、子どもが飲みやすい方法を指導すると良いです。

またインスリンなど自己注射が必要になるようなケースもあります。こういった場合は、家庭内だけでなく学校や薬剤師との連携が重要になってきます。養護教諭などの協力の上、安全に注射が打てるように学校側と話し合うことも必要と言えます。

他にも時間になったら、集団の中から無理のないように抜け出せるようにするといった配慮も大切です。このように担任教諭など学校側との連携をしっかりととって、子どもをフォローしてあげる体制をつくっていきましょう。

また窓口などで本人と顔を合わせる機会があれば、日頃の努力や学校での頑張りなどを褒めてあげるなど、コミュニケーションをとることも忘れずに。

薬の種類が多い高齢者へのアプローチ

高齢者などは、服用する薬の種類が多いケースも珍しくありません。こういった場合は、やはり一包化してあげることが最善の策と言えるでしょう。患者さんによっては、同じことを何回も訪ねてくるなど、認知症の兆しがあることもあります。こういった場合は、薬剤師から家族に対して支援をお願いするのも1つのアプローチと言えます。

ただ最近では、高齢化に伴って一人暮らしの高齢者も増えています。こういった場合は、その地域のケアマネージャーや保健師と相談しながら、対応していくことが大切です。そうして服薬アドヒアランスが低下しないように、薬剤師の目線からできる提案を行なっていくようにしましょう。

アドヒアランス向上には薬剤師のカウンセリングが重要?

服薬アドヒアランスを向上していくためには、これまでお話したように患者さん1人1人に合わせたアプローチが必要になってきます。しかしそれだけではなく患者さんとの信頼関係を築くこともとても大切です。

調剤薬局などは、やはり患者さんと直接コミュニケーションをとる機会が多いです。そのコミュニケーションの中で、患者さんとの信頼関係を築いていくことが服薬アドヒアランス向上に繋がっていきます。

コミュニケーションの中で患者さんに自分の状態を認識してもらう

薬剤師と患者さんのコミュニケーションで必要なのは、やはり信頼関係を築くこと。ですが、患者さん自身に自分の状態を認識してもらうのも大切。自分の状態を認識してもらうことで、服薬の必要性や重要性をもっと深く感じてもらうことができるはずです。

患者さん自身が『自分は治療のプロではないから』と、すべて医師・薬剤師任せにするのではありません。患者さん自身が自分の治療に対して、しっかりと認識することが重要です。自分の治療計画に参加していくことが、アドヒアランスと言えるでしょう。

コミュニケーションを上手くとりながら、きちんと服薬しないと治療計画が進まないということを患者さんにしっかりと認識してもらいます。特に長期的な治療が必要な患者さんに対しては、その分じっくりと時間をかけてコミュニケーションをとり、関係性を深め、服薬・治療についての説明もしていきます。

真摯に向き合うことで、患者さんからの信頼感も向上していくはずです。

コンプライアンスからアドヒアランスへ

今後は、患者さんが自分の意志で服薬できるようにしていくことが大切です。それが、結果として患者さん自身のためになるはずです。これまでは、ただ指示通りに薬を飲むだけのコンプライアンス概念でした。

しかしこのコンプライアンスから、患者さん自身が自らの意志で積極的に治療へと向かっていくアドヒアランスへと変わりつつあります。患者さんとのコミュニケーションの中で、患者さんが自分の意志でお薬を飲めるように導いていくことが薬剤師の役割、使命と言えるのではないでしょうか。

これから薬剤師としてスキルアップを目指していくのであれば、こういった服薬アドヒアランスについて考えていけるということが欠かせません。患者さん1人1人との関係性・コミュニケーションを大切にしていきましょう。


▲TOPへ