みなさんも日々を過ごしていれば、お薬を飲む機会は何度かありますよね。お薬は、医師の診断を受けた上で薬剤師などに処方してもらうと思います。
そういった時によく聞くのが「用法・用量を守る」ということです。
今回は用量にフォーカスして説明していきたいと思います。
お薬の作用と用量は、とても密接な関係で結ばれています。
しっかりと正しい量を飲むようにしましょう。
お薬の作用と用量の関係性
お薬を飲む際、薬物動態に影響を与える可能性があること、それが用法や用量です。
薬物動態というのは、人間の体内における薬物の一連の移行・変化の過程のことです。
お薬は、体内で「吸収・分布・代謝・排泄」という一連の過程があります。
薬物動態は、それぞれ「吸収(Absorption)」、「分布(Distribution)」、「代謝(Metabolism)」、「排泄(Excretion)」の頭文字を取って「ADME」という略語で表すことがあります。
お薬の用法・用量によってこの薬物胎動に影響を与える場合があります。
今回は「用量」とお薬の作用の関係性について説明していきます。
一般医薬品の説明書を見てみよう
一般用医薬品の説明書あるいは外箱には、さまざまな項目で説明書きがされてあります。
みなさんもおそらく一度は、目を通したことがあるでしょう。
「使用上の注意」や「効能・効果」そして「用法、用量」という項目を見たことはありませんか?
ここには、服用してもよい年齢、1回に飲んでもよい量、そして服用回数などが記載されています。
例えば、年齢であれば「15才以上」や「成人」といったような表現がされてあることが一般的です。
お薬によっては、その後ろに「小児(5~14才)」や「5才未満」といったように細分化して記載していることもあります。
なぜこうした年齢による用量の違いなどがあるのでしょうか。
お薬の用量と作用の強さは比例している
お薬の用量と作用の強さの関係性。
お薬の量が増えれば増えるほど、作用の強さというのも比例して強くなります。
しかしお薬の量を0から少しずつ増やしていったとしても、ある程度は作用して現れることはありません。
一定のラインを肥えたところで、徐々に作用つまり効果が用量に比例して現れ始めます。
この関係性のことを「用量依存性がある」と言い表します。
では、お薬の量を増やし、作用が強くなっていくとどうなるのでしょうか。
お薬の毒性が現れてくることも
本来であれば、医師・薬剤師の指示に合わせて正しい用法・用量で服用しなければなりません。
ここでは、その点を無視してお薬の量を増やしていったとします。
そうすると作用も同じように強くなっていくわけです。
しかし必ずしも、お薬の効果が強くなって病気や症状が早く治るわけではありません。
なぜかというとお薬には、良い作用もあれば臓器や組織に悪影響を及ぼしてしまう作用もあるからです。
いわゆる臓器や組織に対する「毒性」が現れます。
少量であれば毒性は現れず問題はなくても、量を増やすことでその毒性が顔を覗かせることがあるのです。
お薬の量が危険域に達すると有害作用をもたらし、それでもなお増やし続けると致死量域つまり死亡例も視野に入ってきます。
お薬の効果には個人差がある
お薬の有効域や中毒域というのは、人それぞれ個人差があります。
お薬の説明書や外箱に記載されている用量というのは、あくまで平均値です。
記載されている通りの量を飲んでいるのに効果がない、あるいは、効果が強すぎるといった可能性もあります。
こういった時は、しっかりと薬剤師に相談するようにしましょう。
その上で自分に合ったお薬の飲み方をしていくべきです。